たまたま仕事のついでに参加したからスーツを着ていて良かったものの、普段着で参加していたら一人浮いていたのは間違いない。 しかも、その人数が半端ではない。
定員が120名程度のはずなのに、どう数えても500組以上の保護者が来ている。 いったい入学倍率はどれくらいになるのだろう?と他人事のように心配になった。
小学校も手馴れたもので、これだけ多くの人が詰め掛けても大丈夫なように、並ばせ方から、資料の配布方法まで準備万全である。 参加者の方も、事前に練習をしたかのように、誰も何の疑問も持たずに、整然と並び、決して分かりやすい案内でないにも関わらず、指示通りに資料を受け取り、持参したスリッパに履き替えて、整然と席に着いている。
しかし、本当に驚いたのは、説明が始まってからである。 高校までの一貫教育を自慢するのはまだ良かったが、有名高校への進学や大学の進学実績を数字で自慢し始めたのである。
それを、必死に聞いている周囲の保護者の姿にも驚かされる。 小学校から受験勉強をしたからといって、子どもに何のプラスになるのだろうか。
進学校に入学させることで親の義務が果たせるとでも思っているのだろうか。 そんな疑問がふと頭をよぎった。
会場の雰囲気に圧倒されて、ボーとしながら帰り道を歩いているときに、ふと、すべての疑問を解消させる答えが見つかった。 家庭で親が子どもに対して何をすれば良いか、どう教育すれば良いかは誰も分かっていないのではないか、と思ったのである。
保護者懇談会に来られた方、教育改革国民会議の委員、小学校の入学説明会に集まった親、誰を見てその背後に確固たる自信が見えてこない。 人は子どもができれば、誰もが自動的に親になれるわけではないのだ。

子どもを大きくするだけが親の役割ではなく、子どもを教育するのも親の役目で、子どもを教育することができるようには誰もがなれるわけではない。 そう言えば、学校の先生になるには、大学で専門的な勉強をし、教員免許という資格を取る必要がある。
家庭内で自分の子どもに教育するのに、何の資格もなくても良いのだろうかという疑問が出てくる。 人の子どもを教育するのに資格が必要なら、もっと大事な自分の子どもを教育するには、それなりの勉強をするのは当然ではないか。
では、何をどこで勉強すれば良いのだろうか。 さっそく調べてみた。
調べてびっくりである。 家庭教育の専門家が日本には一人もいないのである。

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